ガッツ理系キャリア形成 vol.5(M.K.の場合)

1月も終わり,修士課程の人は修論に追われている頃でしょうか?

就職してしまう人は,研究生活も残り少なく,ちょっぴり寂しさを感じているのではないでしょうか?

今日は,そんな一人である私が,研究について振り返ってみたいと思います。


研究室では海洋の炭素循環における植物プランクトンや海藻などの生物の働きを評価する,生物地球化学を研究しています。
生態学的なフィールドワークと化学的な分析を合わせて,地球環境を見る研究。

その中でも私は,海藻の有機物について研究しています。
海藻の生理学や生産性などを見る研究は多くあるものの,地球化学の視点から見ている研究者は多くありません。

「誰もやっていないこと」であることと,海の生き物が秘めている可能性に惹かれて研究してきました。

「誰もやっていない」ことは方法から探し当てることが大変です。
きちんとデータが評価できる,と思う実験系にするまでに2年近くもかけてしまいました。

天候に左右されたり,予想外のことが起こったりと,フィールドワークに独特の苦労も味わいました。

そして,私の実験は技官さんがいなくては成り立ちません。
潜水には熟練の技術が必要なので,はじめはすべて技官さんにお任せです。

本当の現場を見られないことがもどかしく,最終的にはスキューバのライセンスと潜水士免許をとって,作業までやらせてもらえるようになりました。

自分のやりたいことをいかに技官さんたちに正確に伝えるかというコミュニケーション力や,不測の事態が起こった時に素早い判断を下すことも求められました。

なかなかそれができなくて,苦労しましたが,技官さんたちは本当に親身に相談に乗ってくださいました。

今は,そんな失敗も含めて,学ぶことが多かった3年間だと思います。
そんな貴重な体験をできたことが本当に良かった。そして,1つの実験から分析まで2,3か月かかったデータを集めたときに,何か1つでも見えてくる事実がある時の嬉しさ。

私はこの瞬間のためだけに研究をやってるんだと思います。
こんなに時間を使って研究を続けられる学生ってなんて贅沢なんでしょうね。


でも,私はひとまず研究を離れます。
「科学に夢を持つ人材を育てる」という自分のビジョンを成し遂げるために,教育活動に邁進していきます。でも科学から離れるわけではありません。

だから,こんなにも失敗ばかりしてきた私が言うのもおこがましいのですけど,ここで宣言します。いつかきっと,自分の力をもっともっと伸ばして,もう一度研究の世界に戻ってきたい。

いくつになっててもいい,その時が実現するように,科学を学び続けることと,自分を磨き続けることを忘れないように,社会人になっても頑張りたいと思います。

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